新聞や雑誌など、メディアに紹介いただいた記事を載せています。
結の作品やコンセプトを知るきっかけの1つとしていただければー
毎日新聞でご紹介いただきました。
2013年10月23日の毎日新聞の朝刊(埼玉県版)にて、取り上げられました。結の絵に一目惚れされた記者さんの熱意あるインタビューと文章が、作品や画家の結への想いをリアルに伝えています。
(毎日新聞社 提供)
川越に 「和風似顔絵工房 結」 開設
障害を乗り越え みんなを笑顔に
スピーカーから流れるクラシック音楽に合わせ、水彩紙に絵筆を黙々と走らせる。20年前に重い障害を負った川越市の似顔絵師、鈴木正道さん(40)は昨年、「和風似顔絵工房 結(ゆい)」(同市藤倉)を開設、日々作品作りに打ち込む。 「命が助かり、絵を描く仕事に出合えてありがたいと思う。贈り主や、絵を手にした人が笑顔になってくれたらうれしい」と話す。【川畑さおり】 同市出身。中学、高校時代は水泳や陸上に打ち込み、進学した明治大学でも競走部で箱根駅伝を目指した。だが、1年の夏にけがなどで挫折。目標を見失い、大学にも行かず半年ほど悶々(もんもん)とした日々を送った。 病魔に襲われたのは大学2年の冬。頭の痛みが数日続いた後、くも膜下出血で倒れた。約1カ月後に病院のベッドで意識を取り戻したが、左半身が動かなくなっていた。 それでも「絶望はなかった。生かされたことに感謝の気持ちがあった。」 医者からは「一生治らない」と言われたが、半年間のリハビリで日常生活に支障はほとんどなくなった。 大学卒業後、アルバイトをしながらスケッチブックを持って自転車で全国を旅した。現在、工房として使っている木造平屋建ての作業場は、その旅の後、20代半ばで建てた。すべてが手作り。雑草が生い茂っていた土地を整地し、改築中の住宅を回っては柱やガラス戸などの廃材を集めた。友人たちも手伝ってくれ、約3年かけて完成した。そしてまた、旅に出た。 子供のころから好きだった絵で食べていきたいと、いろいろな道を模索した。左半身のしびれとは、一生つきあっていかなければならない。左利きだったため、代わりに右手を使い、両手で描くようになった。旅先での人との出会い、その土地の言葉や自然を全身で感じたことが、一番の財産だと感じている。 「大切な家族をつなぐ1枚。結婚記念なら、それまで他人だった2人を結ぶ1枚に。それぞれの人たちを結ぶ絵を届けたい」。工房名「結」にはそんな思いを込めた。 作品を描く時は、依頼主に事前に絵を送る人への思いやモデルの人柄などについて直接話を聞く。単なる似顔絵ではなく、「心」を描きたいと思っている。 「似ていることが大事な部分ではない。人の『思い』がにじみ出てくるような絵を描きたい」 詳細は同工房(090-7825-5753)、ホームページは http://nigaoe-yui.com (写真:上) 「色や音、匂いがわき上がってくるような絵を描きたい」と話す鈴木正道さん (写真:下) 鈴木さんが手がけた似顔絵ー鈴木さん提供